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日本標準ブックレット26『ライフワイドの視点で築く学びと育ち』出版!

2023年2月、日本標準より拙著『ライフワイドの視点で築く学びと育ちー障害のある子ども・青年の自分づくりと自分みがきー』が出版されます。

 

これまで、いくつかの共編著や分担執筆での書籍出版はありましたが、初の単著としての出版です。

今でこそ「障害者生涯学習」が文部科学省による政策として取り組まれていますが、それよりも前の段階、およそ20年以上にわたりこのテーマで研究や活動を行ってきた立場として、何らかの形にまとめることができました。

 

表紙は、鳥取県の「アートスペースからふる」のご協力により、長年一緒に音楽活動を行ってきた仲間である、からふるのアーティストたちが登場してくれています。本文でも、このうちお二人について、自身とのかかわりの中から述べさせていただいています。

 

生涯学習」を文字通り「生涯にわたる学習」の意味から、人生の時間軸におけるタテ方向への権利保障とともに、空間的なヨコ方向への権利保障を「ライフワイド(Life Wide)」の視点からも描く形にした一冊になったと思います。

 

以下、出版情報からの転載です。

内容紹介
本書のテーマは障害者の生涯学習である。これまで特別な支援を必要とする人々については、学校教育以外の学びの場があるとはいいがたかった。しかし2017年に文部科学省が「特別支援教育生涯学習化」の方針を打ち出したことで、政策の大きな転換が図られた。
国の教育行政が取り組む障害者施策が学校教育中心にとどまらず、新たに生涯学習施策として「総合的に展開」することになったのである。そうしたなかで、特別支援学校高等部における短大的な位置づけの「専攻科」の設置や、地域における生涯学習の拠点づくりが始まっている。
本書はこれら新しい政策動向と具体的な取り組みを紹介しつつ、障害のある人たちの発達保障と社会参加を達成する上での教育の果たす役割を示すものとなっている。


目次
はじめに  障害のある人にとっての生涯学習
第一章   はじまった「特別支援教育生涯学習化」
第二章   「もっと勉強したい!」の声と専攻科づくり
第三章   青年期の自分づくりを保障する学び
第四章   ライフワイドと自分みがきの生涯学習
おわりに  地域でライフワイドな学びや活動を生み出そう

ライフワイドの視点で築く学びと育ち

honno.info

『障害のある若者と学ぶ「科学」「社会」』出版&学習会

2022年5月、クリエイツかもがわから『障害のある若者と学ぶ「科学」「社会」―気候変動、感染症、豪雨災害』が出版されます。

 

『障害のある若者と学ぶ「科学」「社会」ー気候変動、感染症、豪雨災害』

丸山啓史/編著、國本真吾・澤田淳太郎・塩田奈津・村上穂高/執筆

A5判152頁 定価1650円
ISBN978-4-86342-331-2

 

『障害のある若者と学ぶ「科学」「社会」』表紙

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なぜレジ袋が有料化したの?
なぜマスクをするの?
なぜ休校になるほどの豪雨が降るの?

学ばなくてもさしあたり支障がないこととして、後回しにされがちな「科学」「社会」についての学習ですが、 本当は子ども・若者たちに深く関わる現代的課題といえるでしょう。
では、どのような問題意識をもち、どのように若者たちを見て、授業をつくるのか、 若者たちの反応は......

クリエイツかもがわInstagramより)

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私は、第1章「障害のある若者に「科学」「社会」の学びを」の執筆を担当し、知的障害のある若者(本書では、特別支援学校高等部~学校卒業後の青年)に、なぜ「科学」「社会」の学びの機会を求めているのかを述べています。

 

そして、出版を記念して、2022年7月3日(日)にオンライン(zoom)での学習会を行います。

執筆者全員の登壇とともに、ゲストとして三木裕和先生(元鳥取大学、現立命館大学)に本書のコメントをしていただく予定です。

 

本の購入とあわせて、オンライン学習会への参加もお待ちしております。

詳しくは、クリエイツかもがわが運営する「Hanetama Store」の特設ページをご覧ください。

『障がい青年の学校から社会への移行期の学び』出版

全国専攻科(特別ニーズ教育)研究会として2冊目となる書籍を、この度発行することとなりました。

『障がい青年の学校から社会への移行期の学びー学校・福祉事業型専攻科ガイドブック』です。


全専研は、18歳以降の障害のある青年が、特別支援学校高等部・高等学校を卒業した後も学び続ける機会として、「専攻科」の設置を求めて2004年に結成されました。

2008年には『もっと勉強したい!―障がい青年の生活を豊かにする学びと『専攻科』」(クリエイツかもがわ)を会として上梓し、以来、本書でも登場する障害福祉サービスを活用した「福祉(事業)型専攻科」が拡大しました。

そして、2017年から文部科学省が障害者の生涯学習支援に関わる政策を開始し、2019年の有識者会議報告においても、この福祉の場での学びを想定した「移行期の学び」を施策の方向性の一つに挙げるようになりました。

本書では編者の一人として、学校型専攻科の実践を取り上げたPart1のまとめを執筆しています。学校・福祉型の違いに関わりなく、全専研に連なる学校・事業所では「学校から社会へ」と「子どもから大人へ」の二重の移行を支える「青年期教育」が行われています。その実践は、決して障害のある青年たちに限ったものではなく、障害の有無にかかわらず広くわが国の青年たちに必要な教育を訴えかけていると総括させていただきました。

 

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障がい青年の学校から社会への移行期の学び

↓クリエイツかもがわの書籍案内ページへ

『糸賀一雄研究の新展開 ひとと生まれて人間となる』

戦後、「障害福祉の父」「知的障害児の父」と讃えられた糸賀一雄

これまでも、多くの研究者や実践者が、氏の思想を取り上げてきました。

 

2014年、氏の生誕100周年を機に組織された糸賀一雄研究会では、緩やかな活動を重ねるとともに、糸賀氏に留まらずその周辺で彼に関わった同志や影響を与えた人物などにも注目し、学会活動や学習会を重ねてきました。

本書は、そのような活動における成果の一つであり、またこれまでにはない糸賀一雄研究を提示する形で編集されました。

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糸賀一雄研究の新展開 ひとと生まれて人間となる

担当した第5章では、私自身が氏の後輩であり、そして氏の故郷・鳥取の地で自らが暮らし続けている身として、これまでの糸賀研究では気づかれなかった点に着目した内容を執筆しています。

そして、本書の書名や表紙のデザインにも、いろいろと思いを込めさせていただいています。

 

特設サイトでも、関連する情報を掲載する形にしていますので、本書と合わせて学習に活用していただければ幸いです。

まもなく完成! 『糸賀一雄研究の新展開 ひとと生まれて人間となる』

滋賀の三学出版様のお力を借りて、渡部昭男・國本真吾・垂髪あかり編、糸賀一雄研究会著『糸賀一雄研究の新展開 ひとと生まれて人間となる』を上梓することになりました。

糸賀一雄や近江学園、その周辺の人物や施設に関わる研究者や実践者により、論考15篇、コラム5篇、資料1篇を、本書におさめることが出来ました。

編者の一人として、出版作業に携わらせていただくとともに、第1部の第5章を執筆させていただいています。

ぜひ、末永くお手元に置いていただけるような本になればと思っています。

 

糸賀一雄研究の新展開 ひとと生まれて人間となる』

渡部昭男・國本真吾・垂髪あかり:編

糸賀一雄研究会:著

三学出版:発行

定価¥2,300+税

ISBN978-4-908877-36-0

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糸賀一雄研究の新展開 ひとと生まれて人間となる』販促用チラシ

【本書の内容】

第1部 実践と思想の往還から
第1章 近江学園初期における糸賀一雄と教育について(冨永健太郎
第2章 糸賀一雄の生涯とその思想(蜂谷俊隆)
第3章 びわこ学園における「発達保障」思想の実践化過程―重症心身障害児者への「本人理解」のあゆみ―(垂髪あかり)
第4章 教育における生産性について―木村素衞「形成(性)」と糸賀一雄「生産(性)」―(門前斐紀)
第5章 糸賀思想を「ミットレーベン」への思いから読み解く―故郷の地・鳥取での足跡を辿りながら―(國本真吾)
コラム1 糸賀一雄の「魂のふるさと」松江(川内紀世美)

 

第2部 友垣・同志の苦闘から
第6章 近江学園草創期と戦争孤児・浮浪児たち―田村一二の記録から―(玉村公二彦)
第7章 この子らは世の光―「夢の人」「実の人」池田太郎の実践思想―(山田宗寛)
第8章 岡崎英彦「エモーショナルなもの」の展開―糸賀一雄「生命思想」を出発点として―(遠藤六朗)
コラム2 特別支援教育史を展示するという試み(和崎光太郎)

 

第3部 実践現場の諸相から
第9章 障害児入所施設からみた子どもの「貧困」(森本創)
第10章 相談支援の実践を通じて考える糸賀一雄の思想(増野隼人)
第11章 糸賀一雄と田村一二におけるケアの肯定的側面の探求―障害児(者)支援の仕事の経験と意味―(中山慎吾)
第12章 糸賀一雄憲法における「人間の尊厳」―「津久井やまゆり園事件」を契機として―(山﨑将文)
コラム3 草津市の発達支援システム(大西塁・中村順子)

 

第4部 国際的な視点から
第13章 糸賀一雄の思想とマーサ・C・ヌスバウムの可能力アプローチの比較(中野リン、訳:永岡美咲
第14章 韓国における障害児教育・福祉保障―糸賀一雄の実践と思想に学ぶ―(金仙玉)
コラム4 糸賀一雄を学び、より深めるために~優生思想を超えて~(平田勝政)

 

第5部 若い世代へ
第15章 情熱をもった人間が歴史をつくる―糸賀一雄の魅力を若い世代にどう伝えるか―(渡部昭男)
コラム5 糸賀一雄の言葉に感じる乖離と魅力(黒川真友)

 

資料 『糸賀一雄著作集』・『福祉の道行』に至る編纂過程をさぐる―田中昌人アーカイブ作業による史料の発掘―(松本圭朗)

全障研『みんなのねがい』2021年1月号

全国障害者問題研究会が発行する月刊誌『みんなのねがい』
2021年1月号の特集は「みんなの一年目」と題して、療育・教育・福祉現場の若手の手記とともに、働く若者たちへのエールが綴られています。

この中で、大学教員の立場として「充実した学生生活で『心のふるさと』を作ろう」と題して書かせていただきました。
私の研究室から巣立った卒業生たちとの繋がりを紹介しています。

どうぞお読みください(定期購読も受け付けています)。

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『みんなのねがい』2021年1月号

 

全障研『みんなのねがい』2020年2月号


全国障害者問題研究会が発行する月刊誌『みんなのねがい』2020年2月号は、特集で「もっと青春したい!~青年期の学びの価値」の企画を組みました。

この中で、総論の形で「青年期の学びで大切にしたいこと~七転び八起きの自分づくりとして」と題して書かさせていただいています。

(※全障研のHPでちょっと見ができます。http://www.nginet.or.jp/ngi/2020/202002_kunimoto.pdf

 

青年期、特に学校から社会への移行期における自分づくりを意識した学びの場(空間)で、ともに学び育ちあう仲間とどのように成長していくか。そして、そのための時間の必要性を具体化する教育年限延長機会としての高等部専攻科・福祉型専攻科の意味などを、私なりに論じて記しました。

 

また紙面では、「この子と歩む」のコーナー、裏表紙の「ねがいギャラリー」も偶然ですが鳥取の仲間たちが登場します。

どうぞお読みください(よろしければ定期購読も)。 

 

『みんなのねがい』2020年2月号

『みんなのねがい』2020年2月号